ちょっとそこ行くお嬢さん、あなた傘をお忘れですよ。 なに?今は雨が降っていない?いいえ、お持ちになったほうがいい。 これから降るのですよ。慟哭と絶望を交えた、黒い雨が。 濡れてはいけない。 その瑞々しい肌が、ゼンマイ式の味気ない体になってしまうから。 え?嘘だろうって?なんと心外なお言葉。 ほうら、あそこに見えるでしょう?高い高い山の長い道のりを、妙な機材を担いで登る男。 綺麗な金髪に、象牙のような肌、深い彫りをした、ええ、所謂美男子の。 あれなる男、名をヴァンガッシュと言うのです。全ての災厄の元。 彼がスイッチを入れる、それが始まりですよ。 雨が降るのです。慟哭と絶望を交えた、黒い雨が。 濡れてはいけない。 ああ、ほら黒雲が追ってきた。もう逃げなくては。 でも地球中に隙間なく雨が降り注いだら、どこにも逃げ場なんてありませんよね…? |
おや、お帰りですか?傘を忘れてはなりませんよ。 くれぐれも雨になど濡れませぬよう… |
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